パンツ作りに於ける最終的な命題は、美しいフォルムと快適な穿き心地を形成する事です。そのためには芯地などの副資材を多用するのが一般的な製法ですが、尾作隼人が作り上げるパンツは最小限の副資材でそれを実現しています。その代わりにパターン作成やアイロンワーク、手縫いといった部分に極めて高い技術を用いており、美しいフォルムと快適な穿き心地に加え、軽さ柔らかさも持ち合わせた稀有なパンツとなっています。

「人間の身体に自然にフィットさせる事が唯一の絶対条件」
腿とお尻の部分は外に分量を持たせます。膝下の向こう脛あたりで人間の脚は前にしゃくれています。ふくらはぎの筋肉は外側に出るので分量を作る。裏腿の部分は出来るだけしゃくれるようにする。これをまず物理的に型紙に反映させ、アイロンワークで平面の布地伸ばしたり、縮めたりしながら立体的に仕上げる”クセ取り”と呼ばれる手法で仕上げていくと流麗なS字を描いていきます。そのシルエットの美しさは驚嘆ものです。

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